自信とプライドの違いって何だと思いますか?
この2つ、紙一重のようで結構大きな違いがあります。
そして、プライドを自信に変化させることができれば人は大きく成長することができる。そこに、育成支援の可能性があると私は思います。
さらには、リハビリテーションの本質もまた「自信とプライドの違い」で説明できる共通点があります。
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斎藤環は、自信とプライドの違いを以下のように説明しています。
自信とプライドの違い(斎藤環)
もったいぶらずに言い切ってしまいましょう。ひきこもっている人の心は、一言でいえば「プライドは高いが自信はない」という状態にあるのです。奇妙な表現と思われるでしょうか。
自信とプライドは同じことではないのか?と疑問に感じられた方もいるでしょうか。しかし、例えば「むやみに威張っている人」の姿を想像してみてください。わかりやすく威張る人に限って、本当は自信がないので、バカにされることを恐れてびくびくしています。つまり虚勢は自信のなさの裏返しなのです。
自信に裏打ちされたプライドは、人を倫理的に高めることもありますが、自身の裏づけを欠いたプライドは、単なる虚勢にしかなりません。
「自信」と「プライド」は、精神分析的にいえば、「理想自我」と「自我理想」という用語に置き換えることができます。
前者はありのままの自分、鏡に映った自分のイメージなどに対する愛です。後者はあるべき自分、「あのようでありたい」と仰ぎみる理想に対する愛を指しています。
斎藤環 『ひきこもりはなぜ治るのか?』(ちくま文庫ちくま文庫)
シンプルにまとめると…
上記の内容+αをシンプルにするとこんな感じです。
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この違いを分けるのは、当人の心理的構えだと思います。
同じ状況になっても受け止め方(解釈)は人により異なるわけです。
リハビリテーションの現場では
病気やけがにより障害を負った患者さんをみていても、同じ状況でも前向きな人とそうでない人とがいます。
『この手や足が動くようにならなければ・・・』
『こんな身体になってしまって、私はもう駄目だ・・・』
障害受容と表現するとやや違和感はありますが、リハビリテーションの本質は
『Re(再び)Habilitation(ふさわしいかたちになること)』
です。
そのためには、『自我理想』から『理想自我』へと変化することが必要であり、それが達成できれば身体機能とは別次元でのリハビリテーションが実現できるのではないでしょうか。
マネジメントとリハビリテーションの共通点
・マネジャーが後輩・部下の育成支援を考える視点
と、
・理学療法士が患者さんのリハビリテーションを支援する視点
とには共通点があり、人間の本質部分だと思います。
本質に近い概念は、さまざまな領域で応用できます。
マネジャーとしては、事業を抽象化・概念化するコンセプチュアルスキルが重要です。
『自信とプライドの違い』は応用の効く概念ではないでしょうか?
mba-management
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